2016/08/25

Raspberry Piのことはじめ - 07 回路設計の前知識

これまでなんとなく、ここは330Ωだ、とか指定してきたが、必ずそこには意味がある。
今回は回路設計の、かなり基礎的な部分を説明したい。


基本法則


基本法則としては、「オームの法則」と「キルヒホッフの法則」がある。
どちらも中学理科までで習った?と思うので、復習がてら基本部分だけ書く。
(これらの法則の説明だったら、別のサイトを見た方が充実しているかと思うけど)



回路図


法則の説明の前に、色々な回路の構成を説明するのでまずは簡単な回路図の書き方を説明する。



電池や抵抗など、パーツと導線で図を書くと左図のようになるけど、もっとシンプルに書く為に右図のような形で書く。
上回路図のような表現は義務教育中にも習ったりする。
電池の-極はGND(0V)のため、下回路図のように電源とGNDを別に書くこともできる。
ケースによってわかりやすい方を選ぶといい。

余談だが、学校では抵抗はなんかギザギザしたので書いた記憶があるが、ただの長方形で書くこともでき、こちらも一般的。


電位・電圧降下


これも大事な概念なので、法則の前に説明する。

ある点の電位とは、その点にかかっている電圧のこと。
回路中の電池の+極は1.5Vとかになるし、-極は0V(GND)になる。



上図の点Aの電位は1.5V。点Bは0V。抵抗で1.5Vの電圧が下がっていることから、この抵抗で1.5Vの電圧降下が起こった、と表現する。
上図の点Cは1.5V。点Eは0V。点Dはその間の値となるが、例えば点Dの電位を0.75Vとすると、それぞれの抵抗で0.75Vの電圧降下が起こっている。

重要なのは、電源(電池の+極)が1.5Vあったとしたら、GNDまでのどの経路を通っても1.5Vの電圧降下が生じる、ということ。
GNDが0Vであることを考えると当然のようだが、「どの経路を通っても」ということが重要。

ちなみに、電源からGNDまでに抵抗が挟まっていない経路があると、短絡(ショート)を起こすので、そのような経路ができないよう設計することが大事。


オームの法則


オームの法則は電圧と電流、抵抗の関係を示した法則で、電圧値を($V$)、電流値を($I$)、抵抗値を($R$)とすると
\[
\ V = IR
\]として表すことができる。
まあ、これに尽きるが「2点の電位差が、その間を流れる電流値と含まれる抵抗値に対してこの式の関係を取る」といった方が正確だろう。


キルヒホッフの法則


キルヒホッフの法則は電流則と電圧則があり、それぞれ
  1. 電気回路の任意の節点において、そこに流れ込む電流の和は、流れ出る電流の和に等しい。
  2. 電気回路の任意の閉路について、電位差の和は0である。
というもの。

1で押さえておくべき本質は



この2パターンで、どちらも
\[
\ I_0 = I_1 + I_2
\]
ということ。

2に関しては、下図のようなケースがわかりやすい。



このとき、電池の+極から-極まではどの経路でも1.5V電圧降下が起こるため、電圧降下$V_1$、$V_2$はそれぞれ1.5Vとなる。
この並列になっている部分は閉路になっているのがわかると思う。
この閉路を、例えば時計回りに考えると、$V_2$の電圧の変化は-1.5Vとなるが、時計回りだと$V_1$は逆方向なので、電圧の変化は+1.5Vと考えられ、閉路の電位差は$-1.5V + 1.5V = 0V$となる。


ここまでは復習で、直感的にピンとくるくらいには頭に入れておいた方がいい。
内容はあんまり難しくないので、わからないところがないようにしておいた方がいい。

次回は実際の設計例を説明する予定。

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